開発のきっかけ
自閉症の中には強いこだわりがある子がいます。
なないろでも、白ご飯しか食べない利用者さんがいました。その子は1週間~10日に一回しか排便のない状態で、トイレに拒否があるため、家でオムツの中でしか排便ができませんでした。
ある日、その子が壁に手を当てて顔をしかめていました。「トイレ行って来たら?」と声をかけると「違う、出ない」と言います。
「また家でオムツを履いてするのだろうか」と思っていたら、翌日も、そのまた翌日も壁に手を当てて苦しそうに顔をしかめていたのです。そして別の日、その日は少し緩かったようで、我慢することができず下着が少し汚れてしまいました。
自閉症には潔癖症な傾向の子が多いのです。その子はトイレまで走り、大声でわんわん泣きながら大量のウンチをしました。その様子を見て私は、「この子はウンチを緩くすると、自分でトイレへ行き排便することができるのでは」と思いあたりました。